2月27日14時~17時(土)、オンラインシンポジウム「10年経って何ができるか、何をすべきか:シリアの現在、過去、未来」を開催いたしました。120名以上の参加者の皆様と共に、シリアへの今後の関わり方を考える時間となりました。
青山弘之東京外大教授による基調講演では、フランス統治時代から独立を経て繰り返されてきたシリアの分断と統合の歴史を理解することの重要性と共に、我々(国際社会)が持つ価値観を当てはめることによって、シリアを「もてあそぶ」リスクに繋がり得ることが強調されました。シリアの過去10年を振り返っただけでも、政治的・民族的多様性が国内の分断を引き起こし、また外国による干渉が継続している点が映像と共に解説されました。こうした分断状況を打開する未来への提言として、シリア人自身が多様性を創造性に繋げ、また外国を誘致できる状態を創り出していけるよう、我々(国際社会)は、シリアを「もてあそぶ」ことのないよう関わりを続けていく必要があると締めくくられました。
- 時間の都合上割愛した質問への青山教授の回答はこちら
ビデオメッセージでは、現在のシリアの経済状況が最悪の状態であり、暴力が蔓延していた戦争時以上に、物価の高騰が一般の人たちの生活を苦しめていることが強調されましたた。その状況下でも、未来のシリアを作る子どもたちの教育への期待は大きく、瓦礫を横目に青空学校を行う教師や子どもたちからは、明るい未来を創りたいという希望のメッセージが届けられました。
パネルトークでは、人道危機が発生する根本問題へのアプローチ、武器流入の問題、分断した国際社会そして経済制裁など、シリアを取り巻く課題解決の難しさや問題点が提起されました。また、後半では具体的な教育支援や日本国内の在留シリア人支援の現状が共有され、更には大学生参加者から若い世代への提言がなされました。
★当日の動画は、以下よりご覧ください
シリアの人びとが直面する危機は、今なお続いています。シリア和平ネットワークは今後も、危機の解決に向けた議論の場を提供してまいります。活動にご協力いただける方のご連絡をお待ちしています(peaceinsyrianetwork[a]gmail.com:[a]を@にご修正ください)。
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