2月6日にトルコ南部を震源とする最大マグニチュード7.8の巨大地震が発生しました。この地震とそれに伴う余震で、トルコで38,044人以上、シリアで5,814人以上(2月16日現在)が命を落としました。
日本政府は2月6日、トルコに国際緊急援助隊を派遣したのを皮切りに全面的な支援活動にあたる一方、8日にはシリア政府の要請に基づき緊急人道支援を行うことを決定しました。また、震災発生直後より、さまざまな支援団体、NGOが両国の被災者を支援するための活動を始めています。
被災や緊急支援の様子が盛んに報じられるなか、12年におよぶ内戦と経済制裁によって疲弊したシリアの被災状況を案じる声を多く耳にするようになりました。なかでも、内戦によって、シリア政府、反体制派、クルド民族主義勢力の支配地、そしてトルコやアメリカの実効支配地に国土が分断されているという障害を前に、どのように支援の手を差し伸べれば良いのか、我が国と歴史的に深いつながりがあるトルコの陰に隠れて、シリアに充分な支援がいきとどかないのではないか、といった声が目立ちました。
シリアに30年以上にかかわってきた一人として、紛争と震災という二重苦にあえぐことになったシリアに支援の手を差し伸べたい。そうした思いから、今回、シリア地震被災者支援キャンペーン「サダーカ・イニシアチブ」を立ち上げることを決意しました。
サダーカ・イニシアチブは、①シリアに特化した支援、②分断されているシリア全域への
政治的立場を超えた全方位支援、という二つを主要な柱としています。
イニシアチブの名は、内戦下のシリアに特化して支援活動を行ってきたシリア支援団体サダーカ(2012~2021年)に敬意を表しています。「サダーカ」とは、アラビア語で「友情」を意味します。2011年3月の東日本大震災など、日本で災害が起きるたびに、常に支援を申し出て、寄り添ってくれたシリアの人々の友愛への恩返しがしたいという思いが、サダーカ・イニシアチブには込められています。
実は今年は日本とシリアが外交関係を樹立してから70年目の節目の年でした。本来でしたら、この記念すべき年が、笑顔と喜びをもって両国の絆を深め合う1年となるはずでした。シリアは、思いもよらない震災に見舞われましたが、この苦しみをひたむきに乗り越えるシリアの人々の歩みを、日本の私たちも及ばずながら思い遣り、共有することで、震災の先に、両国の間にさらに深い絆と、笑顔と喜びがあると確信しています。
支援活動は、2023年8月までの半年間の予定で行います。義援金と支援物資を募り、現地に送ることができればと思っていますが、当面は現地のニーズを踏まえて、義援金のみ受け付けることといたします。
義援金は100万円集まるごとに、被災状況に鑑みて以下のような割合で、現地で活動する団体に寄付する方針です。
- 在日本シリア大使館を通じたシリア・アラブ赤新月社、シリア開発信託:35万円
- レバノン・シリア福音協会:35万円
- 政府支配地以外で震災対応の持続的な活動を行っている日本のNGOなど:30万円
*寄付先は、集まる義援金の金額、受け入れ先の要望に応じて変更する可能性があること事前にご了承ください。
寄付した義援金がどのように使われたのかについては、シリア和平ネットワークのHPやFaceookアカウントを通じて随時報告する予定でいます。
賛同される方は、ご都合の良い口座に義援金をお送りいただければ幸いです。
(2023年2月24日追記)寄付先地域・団体の指定をご希望されます方は、送金口座の名義と併せて、下記のお問合せ用メールにご連絡ください。
(2023年11月26日追記)義援金の振り込みについて、シリア和平ネットワークの口座(ゆうちょ口座)での受付を停止いたしました。
サダーカ・イニシアチブ専用口座
銀行:多摩信用金庫
店番号:055
口座番号:0128579口座名:サダーカイニシアチブ
本件に関するお問い合わせ
sadaqa.initiative.70★gmail.com(★を@に変換してご利用ください)
*ご利用の金融機関によっては、振込手数料が別途かかる場合があります。
*税制上の措置につきまして、サダーカ・イニシアチブは法人格のない任意団体です。このため、ご寄付は寄付金控除の対象外となりますことを予めご了承ください。
発起人 青山弘之(東京外国語大学教授)
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