2016年5月22、23日、三重県志摩市での第42回先進国首脳会議(通称、伊勢志摩サミット)の開催に併せて、同県四日市市にて「市民の伊勢志摩サミット」が開催されました。
その中の分科会の一つ「シリア難民」は、シリア和平ネットワークと難民支援協会が実施団体を務め、第二次世界大戦以降最大の人道危機と呼ばれるシリア危機でこれ以上の犠牲者を出さないために、紛争そのものを終結させる、和平への道筋をどのようにつけるかが議論されました。
この分科会は、
- 2015年度 UNHCR 難民映画祭上映作品である、家族や帰る場所を失ったシリア人の故郷への想いを綴ったドキュメンタリー映画(要約版)の上映
- 青年海外協力隊経験者である中野貴行氏による、紛争前のシリアでの体験に基づく素顔のシリアの人々の紹介
- パネルトーク『シリア紛争の悲惨な現状に、私たちは何ができるか考えよう』
の3部構成を実施し、メディア関係者も含め約60名が参加しました。
パネルトークは、当ネットワーク・メンバーであり明治学院大学国際平和研究所シリア・リーダーの平山恵の司会により、各登壇者からシリア危機の現状について、シリア難民の生活実態、諸外国の難民受け入れ事例と日本の対応などについて報告があり、シリア和平に向けて何をすべきか討議がなされました。
この討議のとりまとめとして、以下のような提言が作成されました。
「日本は、シリアを含めた中東の人々からの信頼が厚く、シリアの和平に対して特別な利害を有さない数少ない国であり、日本政府は、今回の G7 サミットの議長国であり、国連安保理非常任理事国や国際シリア支援グループの一員として新たに国際的な平和構築の役割を担うことを期待されています。そのためシリアの紛争終結と和平実現に必要な環境醸成に向けて、日本政府が下記分野について行動することを提言致します。
- 難民となっているシリア人自身がシリアの未来を語るワークショップの開催
- シリア人と日本人によるシリア紛争終結と復興に向けた有識者フォーラムの開催
- 若者の留学生を含めたシリア難民を日本が受け入れるための制度構築 」
この提言内容は最終日の全体会合で報告し、他の分科会の提言と共に 5 月 30 日に市民サミット主催団体の共同代表である JOICEP 理事長の石井澄江さんから外務省地球規模課題担当審議官である竹若敬三NGO 担当大使へ手渡されました。
以下、当日の様子が各メディアにより報道・掲載されました。
・ 産経フォト(2016年5月24日)
・ 毎日新聞 中部朝刊(2016年5月24日)
・ 毎日新聞 地方版(2016年5月24日)
「市民サミット 四日市で開幕「紛争を止めよう」難民問題で分科会 /三重」
その他、メディア報道ページ(リンク)をご覧ください。
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